胃がんの発生要因としては、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染、喫煙があります。その他には、食塩・高塩分食品の摂取が、発生する危険性を高めることが報告されています
胃がんでは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って、離れた臓器でとどまってふえる転移が起こることがあります。また、漿膜の外側を越えて、おなかの中にがん細胞が散らばる腹膜播種(ふくまくはしゅ)が起こることがあります。
がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。
わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
胃がんは、早い段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状がない場合があります。
代表的な症状は、胃(みぞおち)の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などです。また、胃がんから出血することによって起こる貧血や黒い便が発見のきっかけになる場合もあります。
しかし、これらは胃がんだけにみられる症状ではなく、胃炎や胃潰瘍(いかいよう)の場合でも起こります。
胃炎や胃潰瘍などの治療で内視鏡検査を行ったときに偶然に胃がんが見つかることもあります。
内視鏡検査とは、食道、胃、十二指腸の内部を観察し、時には治療を行うものです。医療機器や技術の発達により応用範囲も広がり、診断から治療までスムーズに行われるようになってきました。
大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。
大腸の粘膜に発生した大腸がんは次第に大腸の壁に深く侵入し、やがて大腸の壁の外まで広がり腹腔ふくくう内に散らばったり、あるいは、大腸の壁の中のリンパ液や血液の流れに乗って、リンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移したりします。
大腸の管の表面(最も浅い層)は粘膜でできています。
この粘膜層の一部がイボのように隆起してできたもののことを大腸ポリープといいます。
大腸ポリープはその構造(組織)により腫瘍性のポリープとそれ以外(非腫瘍性)のものに分けられ、専門的には右の図に示すようにさらにこまかく分類されます。このうち、大腸がんになる可能性があるものは腫瘍性ポリープである「腺腫」です。
大腸の粘膜に炎症が起きて、下痢や腹痛がおこる病気です。
潰瘍性大腸炎では、大腸の粘膜に炎症が起き、粘膜がはれたり(潰瘍)ただれたり(びらん)しています。このためお腹が痛くなったり、頻繁に下痢をしたり、ときには粘膜から出血をして血便が見られます。
粘膜の炎症は、通常、外敵から身体を防御するためにはたらく免疫系が、なんらかの異常により自分自身の腸管粘膜を攻撃しているために起きていると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
潰瘍性大腸炎の多くは、大腸に炎症があって自覚症状のある「活動期」と大腸の炎症が治まって症状がなくなる「寛解期(かんかいき)」を繰り返します。寛解期から再び活動期に移行することを「再燃」といいます。
大腸は盲腸、結腸及び直腸からなります。盲腸と結腸は水分を吸収して便を形作り、直腸は排便をコントロールする役割を担っています。
◎食欲不振 ◎腹部不快感 ◎腹痛 ◎下痢 ◎粘血便 ◎発熱
◎疲れやすい ◎倦怠感 ◎貧血 ◎体重減少
大腸内視鏡検査では、大腸(結腸と直腸)と小腸の一部を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、これらの部位に発生したポリープやがん、炎症などを診断します。組織の一部をとって調べたり(生検)、ポリープや早期大腸がんを内視鏡的にポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などで切除することもできます。
人それぞれ痛みの感じ方は違います。
手術当日の夜の痛みがどうしても強くなりますが、鎮痛剤(注射・内服)で対応しますので心配ありません。
創は、できるだけ清潔に保つことが必要です。手術後1~2日目から入浴が可能になります。創を観察し、その都度、必要な処置を行います。
毎日、普通の便を出すことが一番大切なことです。
薬を飲んで、便を柔らかくして数回に分けて排泄したり、食事量を制限して便秘にすることは、創の治癒によくありません。
(炎症で痛みが増したり、肛門が狭くなったりすることがあります。)
下痢や便秘の方には、一日1回の排便ができるように薬で調節しています。
患者さんの希望にあわせて調整いたしますのでご相談ください。目安としては2日前後です。
手術後の痛みに対応することが難しいことをご理解していただき、排便の不適切な自己コントロールによって、創の治癒を遅らせることがないように、外来での指導・管理を行っております。
分からないことや不安な点がありましたら、いつでも対応しますので早めにご連絡ください。